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バード フライング
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待ち合わせた店の閉店間際に息を弾ませて、やってきた人はキラキラとしていた。
冬の冷たい風の中を走ってやってきたのだ、ということが分かって僕は少し感心して
その人に、飲み物を勧めた。

『嫌われ者が好きなの』とその人は言った。
『嫌われ者が好き?』と僕は反芻した。
『えぇ。会社で皆から嫌われている人と今までお酒を飲んでいたんです』
なんとなく、泣いているように見えて、僕は何も言わずにグラスを持ち上げた。
それに合わせる様に琥珀色の液体の入ったグラスを彼女も持ち上げた。
カチン、と中の氷がふれあい、弾ける音が聞こえた。

すぐに店は閉店になり、僕らは次の店を探して歩きはじめた。
『最後に涙を流したのはいつ?』と、歩きながら、その人は僕に問いかける。
どうかな、という具合に僕は首を振って返した。

時々、僕は人というものが良く分からなくなる。
『君は変わった人だね』僕は笑いながら答え、こんなことが少し前にもあったような
錯覚の中で、手前の赤信号が青へ変わるのを不思議な気持ちで見つめていた。
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by waterkey | 2006-12-24 00:39 | SNAP



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