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旅の路で
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僕らは奈良県生駒郡平群町という住所にたどり着く。
駐車場に、車を停め、外に出る。
不思議に静まり返った観光地である。

僕らは無言で、河に掛かる大きな山の中の橋を渡り、信貴山総本山へと向かって歩く。
ここを訪れるのは初めてのことになる。
本堂は、山の頂上にあって、結構な距離を歩くことになる。
『歩こうか?』と僕は友人に言って、リュックサックを背負いなおし、タオルを首に巻いて歩き始める。そして、途中の路で何枚か写真を撮る。

僕は、出来ることなら、このような風景を記憶しておこうと思う。
僕らは余りにも沢山のことを忘れすぎるから。
意識的に目に付いたものを凝視しておく。そこに文字があれば、頭の中で読み上げ、何度か反芻しておく。
もちろん、僕はやがて忘れてしまうだろう。それも本当にあっという間に。

信貴山というのは、僕は知らなかったけれど中々立派な山の中の仏閣である。
断食の山としても、どうやら有名みたいだ。
人の数は少ない。とても少ない。数少ない人々と僕らはすれ違う。
たまに目があえば、僕は見知らぬ誰かに微笑んでみる。

正直な話、この山を登るのはとてもキツかった。途中から、体が重くてしょうがなかった。
道すがらの車中、ずっとクーラーを強くかけていたせいで、少しバテてしまったみたいだ。

そこで見る、いくつかの風景に、その多くに僕は既視感を覚える。
どうして、こんなにも色んなものが懐かしく感じるのだろう?と僕は思う。
それは前世の記憶みたいに、僕に忘れていたもの、長い間、記憶から消え去っていた何かの面影を見るような感情を与えてくれる。

僕が旅をしながら、そういう“懐かしさ”を探しているのかもしれないと、思う。
そんなことを思いながら、僕は力を振り絞り、階段を進む。
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by waterkey | 2006-08-03 22:37 | 旅行記



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