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4月のブルース
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僕らの間には深く長い河が流れていて、誰もその河に橋を掛けようとしなかった。
冬が終わるころ、視界を遮る漆黒を切り裂く黒い鳥がやってきて、世界に色を与えた。
河原で耳を澄ませて、僕は鳥のさえずりを聞いた。
分かり合うことのない二人の間に沢山の言葉が流れていった。
足元を見ると誰かが冬の木枝で地面に何かを描いた模様が見えた。
分かりあうことのない二人は言葉の分だけ傷つけあった。
僕はその模様に君からのメッセージを見たような気がした。
“ねぇ、僕はもう戻ったりしないよ”
鳥の羽ばたきがメロディーみたいに辺りに響き渡っていた。
ふと、空を見上げると乾いた僕の心にそっくりの鈍い光がもう全てを洗い流そうとしていた。

『1996年のノートより』
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by waterkey | 2006-04-02 23:06 | SNAP



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