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AFTER BLUE SKY
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彼女はいつも浮かない顔をしていた。
周りの人々が騒いでいる中でも、彼女はいつでも同じ場所に座って、にこりとも
せずに、そこにいた。
ある時、偶然に彼女と言葉を交わした。
その時に彼女がはじめて笑った顔を見て以来、僕は彼女のことがとても気になった。
春が去り、夏も去り、秋が来る頃、彼女と僕は長い坂道を一緒に下った。
そして僕は彼女と沢山の話をした。
彼女が二十歳の誕生日を迎えたとき、僕は思い切ってお酒に誘った。
彼女は僕より二つ年下だった。
冬の終わりに彼女の口から大学をやめることを聞いたとき、僕は少なからずショックを
受けた。
僕にとって、彼女は数少ない友人であり、たぶん恋人であったからだ。
10年ぶりに届いた彼女からの手紙を読んで、その頃のことを思い出した。
彼女の無口さと、静けさに僕はいつも深い安堵を覚えていた。
電話を掛けた。彼女はやはり10年分、年を取っていた。
『久しぶりだね』と僕は言った。
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by waterkey | 2006-02-20 22:46 | SNAP



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